突然我が家を襲った大事件。
せっかくなのでまとめてみた。
こんな人にオススメ
- 子供の不登校に直面している
- 子供の不登校について気になる
- スクールカウンセラーってなに?
学校に行きたくない
我が家には小4のチビ姉と、小1のチビ弟がいる。春から小1となったチビ弟は、チビ姉に連れられて元気に通い始めたが、6月頃突然、学校に行きたがらなくなった。
ある朝のこと。
起きて、朝食をとり、身支度をして玄関で靴を履くまでは、チビ姉と笑いながら過ごしていたチビ弟。
いざドアを開けて家を出ようとしたところ、
「学校に行きたくない」
と、
大粒の涙を流しながら訴えたのだ。
衝撃と共に、沢山の「?」が頭に沸いたのを覚えている。
なにせ、今の今まで昨日までとなんら変わらず平気な様子だったのだ。
それが突然豹変したのだから、理解に苦しんだ。
「え!?何言ってんの?大丈夫だから行こう!」
などと、
「昨日までは大丈夫だったでしょ?」という感覚で説得を試みたが、何を言ってもその場から動こうとはしなかった。
そういえばチビ弟が以前、歩いて学校に行くことを億劫がっていたことを思い出し、
「じゃあ、車で送ったら行ける?」
と訊いてみたところ、少し涙が落ち着いて「うん」と言った。
なんだなんだ、ただ歩きたくないだけだったのか!?
そんなことだったら、ワガママや怠慢なので、なんとか克服させたいが、ひとまずその日は、学校まで車で送ることにした。
下校後、他のみんなが歩いて登校していることをあげ、今までチビ弟も歩いて登校できていたでしょ?と諭し、翌日からは家から少し離れたところまでボクも付き添うことで、歩いて登校するようにした。
半べそをかきながらではあったが、渋々登校してくれた。
これで少しずつ戻って行くかな?と思いきや、なんと、ここから次第に状況は悪化していった。
数日後、家を出てチビ弟の手を引いて歩きだそうとしたら、なんと、その場から動こうとしなくなったのだ。
いくら手を引っ張ろうとしても、嫌がって、次第に涙を流しながら、「行かない」と言い出した。
いろいろ試みて、車での送迎なら渋々登校するというところに落ち着いたが、それも長続きせず、遂には、車に乗るのも嫌がるようになった。
それからと言うもの、半ば無理やり車に乗せて登校する日が続いたが、下車の際には車中で号泣し、降りようとしないのである。
どう見てもワガママを言っているようにしか見えず、ついつい厳しい口調で叱ることもあったが、頑なに登校を拒否するようになってしまった。
このままでは
不登校になるのでは!?
妻と共に、途方にくれ始めた。
不登校のキッカケ(原因)
どうして登校できなくなったのか?
これが親としては一番気になるところだ。
チビ弟に、
「どうして登校したくないの?」
「何か嫌なことでもあるの?」
「学校で何があったの?」
「苦手なお友達がいるの?」
などと、様々訊ねてみた。
特に、「苦手なお友達」については、チビ姉が1年生のころに実際に嫌がらせを受けて困った時期があり、またか!?の思いがあった。
(これについては、担任の先生に相談して解決したが・・・)
しかし、答えるのを嫌がったり、都度言っていることが変わったり、「え?そんなことで?」と思ってしまうような、理由にならない様な些細な事だったり、何が本当なのか、すぐには判らなかった。
ただ、チビ弟の話を聞く中で、どうやら
先生が苦手な(合わない?)ようだ。
給食が苦手なようだ。
と、
大きく2つ、苦手な事柄が浮かび上がってきた。
しかし、「給食」はともかく、「先生が苦手」というのを、当の本人である担任の先生に直接告げるのには気が引けた。。
なので、担任以外の先生を介して、角の立たないように配慮しながらの相談にはなったが、
学校に相談してみることで、少しずつ原因らしきものが見えてきた。
どうやら現在のチビ弟には、担任の先生の教育の角度が少々キツいようで、ついて行けなくなっているようだった。
そして、給食については、好き嫌いの多いチビ弟は給食を残しがちで、「残してはいけない」とか、「デザートは全部食べてから」とか、給食が重荷になる制約が多かったようだ。
そして、それとは別にもう1点。
初めて泣いて登校を嫌がった日を思い出してみた。
振り返ってみると、あの日は、体調不良でお休みした後だった。
その体調不良は、その前日、学校で発症している。
実はその日、お腹を壊して、初めて学校のトイレに駆け込んだのだそうな。
実はチビ弟、自宅でも、まだ自分でお尻を拭いたり、トイレの始末を上手にできないでいた。
なので、学校では「絶対にトイレに行かない!」と豪語していたのだが、お腹を壊してどうにもならなくなり、初めて学校のトイレで用を足した。
しかし、学校のトイレの流し方が解らなかったり、さまざま上手にできずパニックになった模様。。
しかも、その日はすこぶるお腹の調子が悪く、3回もトイレに駆け込んだのだとか。
幸い、心ある上級生が見かけて助けてくれたようだが、チビ弟にとっては、相当な
修羅場
であったに違いない。
おそらく
「また学校で
お腹が痛くなったらどうしよう。。」
という不安を抱いていたに違いない。
そう、
不安
結局は、様々な「不安」要素が沢山蓄積されて、それが溢れたのが「あの日」(大粒の涙を流して登校を拒否した日)だったのではないだろうか。
つまり、
原因は1つではない。
ということだ。
試行錯誤
原因らしきものが見えたとはいえ、では、どうすれば登校できるようになるのか?
答えは誰も教えてくれないし、そもそも知らない。
担任の先生方とも話し合い、チビ弟の気持ちを尊重することから始めた。
とはいえ、「行きたくない」という主張を100%認めてしまうと、一歩も前進できずに終わってしまいそうなので、原則、少しでも登校する方向で、
「1、2時間目だけ行く」
とか
「今日は4時間目だけ行く」
とか
チビ弟ができる範囲で、少しでも登校させるようにした。
送迎は車。
そして、途中で帰りたくなったら、担任の先生経由で連絡をもらい、迎えに行くという日々が始まった。
当然、当初はまったく行きたがらない日もあった。
車の中で泣いて降りたがらないチビ弟を抱っこして靴箱まで連れていき、先生に引き渡した日。
先生にも相談の上、保健室に登校して様子をみて、そのあと授業に合流した日。
学校側にも、とても協力して頂いた。
他にも、ご褒美を用意してみたり、あの手この手で励ましながら、少しでも登校できるように試行錯誤してみた。
担任の先生も、チビ弟に合わせて指導してくれるようになり、チビ弟の不安要素も少しずつ減ってきた様子。
しかし、それでも、なかなか丸一日授業を受けられる様にはならなかった。
一体、他に何が不安だというのだろう?
スクールカウンセラー
そんな中、妻がスクールカウンセラーを予約したとのこと。
何か、ヒントを貰えるかもと、期待大。
2、3時間目だけなど、部分登校をしているが、結局、チビ弟は、苦手な科目を避けているだけであることが分かった。
「甘えとか、怠けを許していていいのか?」
そんな率直な思いを、スクールカウンセラーさんに相談してみた。
すると、スクールカウンセラーさんは真面目な顔で、
「甘えとか、怠けでは無いと思いますよ。
嫌いなことばかりで、好きなことが一つも無ければ、
行きたいとは思えないじゃないですか。」
と。
確かに。
そこで、スクールカウンセラーさんはチビ弟から、学校の授業で好きなことを聞き出してくれた。
すると、意外にも「道徳」と「国語」が好きであることが判った。
親がいくら聞いても適当にしか答えなかったのだが、第三者に、自宅ではない別の場所で訊かれることで、ようやく聞き出せた真実。
しかし、それ以外は全て好きではないということ。
幸い、クラスメートには恵まれているようで、チビ弟に声をかけてくれる子も少なくないようだ。
だが、如何せんチビ弟、ボク譲りの社交性の無さで、なかなか友情を育めない。
好きな科目も少なく、友達も居ないのであれば、学校へ行きたく無いのも無理はない。
そして、スクールカウンセラーさんから更にアドバイスが。
「因果関係を追求しない方がいい。」
ついつい、なんで行きたくないの?
と原因を本人に追及しがちだが、それは逆効果だそうな。
実は、本人もよくわからない場合が多いらしく、それを追及されることで、重荷になってしまうらしい。
「がんばれ」
も良くないらしい。
もう頑張っているのに、逆にプレッシャーになるんだとか。。
おっと。
今日まで、これら全部言ってきたわ、ボク。。。猛省。
復調の兆し
スクールカウンセラーさんは、実際に授業を受けているチビ弟の様子も見てくださり、担任の先生にも様々提案してくれた模様。
それからというもの、夏から秋にかけて、徐々にではあるが、状況が改善してきた。
「2、3時間目だけ」などの部分登校が、1~4時間目まで登校できるようになり、次第に給食も食べれるようになり、やがて、すべての授業を受けてから帰れるようになった。
担任の先生に褒められたとか、先生と会話した内容も話すようになった。
担任の先生への苦手意識も無くなりつつあるようだ。
給食も、無理に食べなければならない風潮は無くなってきたようで、重荷ではなくなってきたようだ。
まだ車での送迎は続いているが、チビ姉と一緒に下校できる日には、歩いて帰ってこれるようにまでなった。
いや、これが普通なのだが。この普通ができないのだ。
「普通」ってなんだんだ?
まだまだ、ちょっとしたことで不安になり、行きたくないと言い出す日もあるが、通い続けられるようになってきた。
まさか自分の子供が不登校に!?
まったく想像もしていなかったので、とても困惑した。
そして少なくとも、両親だけで解決できる問題では無かった。
原因は人それぞれ千差万別。
ということは、「それが答えだ」なんて誰にでも言える共通の解決方法は無いのだろう。
我が家の場合は、ど~せ意味ないだろ?みたいな、いろいろな先入観を捨てて、学校やスクールカウンセラーさんに相談してみることが解決の糸口になった。
子供の環境に携わる方々の協力無しには解決できる問題では無い
ということは、なんとなく判った。
そんな試行錯誤の先に、学校に通えるようになるのか、はたまた、別の環境が合っているのか、子供にとっての正解が見えてくるのではないかと思う。